高杉晋作の「おもしろきこともなき世をおもしろく」、英語でなんて言う?

 おもしろきこともなき世をおもしろく

 すみなしものは心なりけり

有名な一句ですね。

これは高杉晋作が死の間際につづった有名な俳句「おもしろきこともなき世をおもしろく」です。

さてこれ、英語で言うとなんていうのでしょう?

ということで今回は、そんな高杉晋作の「おもしろきこともなき世をおもしろく」を英語で解釈しながら、彼の名言をたどっていきましょう!

高杉晋作とその生涯、そして名言

高杉晋作は江戸時代末期から明治初期まで活躍した人です。

彼は教育者吉田松陰の教え子であり、27歳という若さでこの世を去りました。

有名な逸話ですが、彼は江戸幕府が衰退していたころ、将軍が彼の地元で行進をした際、「よ!征夷大将軍!」と皮肉たっぷりの声援を送ったそうです。

さて、そんな高杉晋作の名句であり、名言「おもしろきこともなき世をおもしろく」ですが、残念ながら正式には英語に訳されていないようです。

なので、今回は様々な解釈をもとに、筆者自身の英語での解釈をしていきたいと思います。

「おもしろきこともなき世をおもしろく」の様々な解釈

こちらの俳句の解釈は様々です。

しかし、どの解釈にも共通しているのは、この俳句は高杉晋作の晩年を表す名句、名言だということです。

特に、下の句である「すみなしものは心なりけり」は多くの人が感銘する名言でしょう。

 

筆者が調べていて一番しっくりきた日本語における解釈なのですが、

面白いと思えることのない世の中を面白く。それを決めるのは自分の心もち次第だ

(by よーへい(@campanella225) さん)

というのがあります。

高杉晋作が晩年に読んだということからも分かる通り、最後に高杉晋作らしいポジティブな名言を残したのですね。

 

英語では、

Living an exciting life in the not-exciting world.

(― Wikipedia日英京都関連文書対訳コーパス)

という訳(上の句のみ)や、

The world which is not interesting is lived pleasantly. It is the mind to decide it.

(―GLN日本のことわざ Japanese proverb)

という訳が出てきます。

1つ目の英訳では、「live a/an (形容詞) life」((形容詞)のような人生を生きる)という重要なイディオムが使われています。

「面白くない世の中において、おもしろい人生をおくろうよ」ということですね。

 

2つ目の英訳ですが、少しわかりにくい英訳を使用していますが、意味は伝わってきます。

そして、下の句の英訳ですが、強調構文を使っています。

itは上の句の「面白く生きるかどうか」だと解釈できるでしょう。

 

そして、訳として面白いなと思ったのは、

Make unremarkable world remarkable. What makes it possible is own spirit.

(by ヤマちゃん@ワンナップ英会話 さん)

です。

「おもしろき」という形容詞を表すのにremarkableを使っています。

高杉晋作の明るい性格が表象されていますね!

そして下の句を直訳すると、「可能にできるのは自分の精神だ!」と言っていますね。

ちなみにitは仮目的語という役割を果たしており、上の句をうけています。

原文、3つの英訳から総じて言えることは「どんな人生も自分次第だ」ということなのではないでしょうか。

高杉晋作の名言、どうやって英語にするの?

それでは、以上の解釈、英訳から高杉晋作の名言「おもしろきこともなき世をおもしろく」を筆者自身の解釈をもとに英訳にしてみます。

「おもしろきこともなき世をおもしろく。すみなしものは心なりけり。」

私はこれを単語に分けつつ解釈します。

おもしろき(く)=exciting/ sparkle

→高杉晋作の言っている「おもしろさ」とは、学問的な意味のこもっているinterestingではないように感じます。それよりも、人が活気に満ち溢れ自然と楽しくなってしまうようなexcitingだと解釈しました。もしくは、その人生自体を輝かせるという意でsparkleだと解釈しました。

こともなき=not

 

世=life

→高杉晋作自身の「人生」だと解釈します。27歳という若さで亡くなり、多くの無念を抱えていたことでしょう。しかし、彼はいつも前向きに生きていたという記録も残っています。

 

すみなしもの=人生をどんなものにするのかという決定権と解釈

→漢字で書くと「住み成しもの」、つまり「住むところ」という意だと捉えました。「自分が生涯過ごすところ(=人生)は自分次第できめてよい」ということだと考えます。使う名詞はright/decisionなどになります。

 

心なりけり=~in our mind/ stars、depends on 人

→「その人の精神次第」ということなので、「私たちの中にある」というニュアンスにしようと思います。starという名詞は、シェイクスピアの戯曲「ジュリアスシーザー」での名言を参考にしました。

“The fault, dear Brutus, is not in our stars. But in ourselves.” – Julius Caesar

親愛なるブルータスよ。責任は星にあるのではない、我々自身にあるのだ。

 

これをまとめると、

『面白くない世の中を面白くしてやろう!でもそれをどうするかは星が決められることではなく、すべては自分次第だよね』という解釈に至りました。

これを英語にすると、

To make not-exciting life to be exciting. The right is not in our stars, but in ourselves.

と筆者は解釈しました。

「おもしろきこともなき世をおもしろく」しよう!

いかがでしたでしょう。

高杉晋作の名言「おもしろきこともなき世をおもしろく」には多くの解釈や英訳があります。

多くの解釈があり、現代の人がそれぞれの解釈を持ち合わせていること、それはとてもいいことだと思います。

皆さんも気になる歴史上の人物の名言を自分なりに解釈してみてください!

きっと新しい視点が身に付き面白くなります!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。